悩み相談のアドバイスを否定しまくる心理。~名古屋心療内科コラム

悩みを相談されたから、
「じゃあ、こうしてみたら?」
と提案してみる。
すると、
「でも、それは難しい」
別の方法を考えると、
「いや、それは違うと思う」
さらに別の案を出しても、
「それもできない」
何を言っても否定されてしまう。
こんな会話が続くと、相談に乗っている側もだんだん疲れてしまいます。
ただ、ここで少し注意したいのは、
こうした人が必ずしも「問題を解決したい」と思って相談しているとは限らないということです。
日常会話の中で、私たちは知らないうちに、他人と心理的な「ゲーム」をしていることがあります。
交流分析を提唱した精神科医エリック・バーンは、一見すると普通のコミュニケーションでも、無意識のうちに同じやり取りを繰り返し、最後に特定の感情や立場を得るパターンがあると考えました。
その代表例のひとつが、
「はい、でも……(Yes, but…)」
と呼ばれるものです。
「どうしたらいい?」と相談する。
相手が解決策を出す。
「でも、それは無理」と否定する。
また解決策を出す。
また否定する。
これを繰り返すことで、結果的に「ほら、やっぱり解決できない」という結論にたどり着いてしまいます。
もちろん、アドバイスを否定する人すべてが、相手より優位に立とうとしているわけではありません。
単純に「解決策より共感してほしい」という場合もありますし、
不安が強くて行動に移せないこともあります。
だから、一度や二度なら、
「アドバイスより、まず話を聞いてほしい?」
と確認してみるのもいいでしょう。
それでも毎回、こちらに答えを求めては否定するやり取りが続くなら、
すべての問題を一緒に解決しようとしなくても大丈夫です。
「それは大変だね」
くらいで会話を終えたり、必要なら少し距離を置いたりする。
相談に乗ることと、相手の悩みを背負うことは別です。
何を提案しても否定され続けるなら、「もっといいアドバイスを考えなきゃ」と頑張るより、
そもそもこの会話は本当にアドバイスを求めているのか、一度考えてみてもいいのかもしれません。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)























