性行為を倍に増やすと愛は増えるのか?という実験。~名古屋心療内科コラム

◆ 「愛が深まる行為」を増やせば、愛情も増える?
多くの人が一度は考える疑問。
「カップルの性行為の回数を増やしたら、絆や愛情はより深まるのか?」
この素朴な疑問に、ある心理学者たちが真正面から挑みました。
実験内容はとてもシンプル。
2ヵ月間、性行為の回数を“いつもの2倍”に増やしてもらう。
さて、この挑戦の結果、
2人が感じる“愛情”や“幸福度”はどうなったのでしょうか?
◆ 実験の結果──「愛は増えなかった」
結論から言うと、
行為の回数を増やしても、愛情は増えなかった。
むしろ、
- 自然なタイミングでの行為が減った
- 義務感のほうが強くなった
- 楽しさが薄れた
といった“逆効果”すら見られたのです。
研究者たちは、この結果をこう述べています。
「愛は、強制されても、強くなることはない。」
つまり、どれだけ愛情深いカップルでも、
「増やさなきゃ」「やらなきゃ」という圧力が入るだけで、
行為そのものの質も、心のつながりも下がってしまうということです。
◆ なぜ“強制”は愛を弱めるのか?
この現象は心理学で「アンダーマイニング効果」として説明されます。
本来“自分の意思で楽しくやっていたこと”に、
外から「強制」「ノルマ」「やらねば」が加わると、
その行為への興味・楽しさが落ちてしまう。
だからこそ、
本来の心の交流が消え、温かさが減ってしまうのです。
◆ 大切なのは“回数”ではなく“質”
心理学的には、
愛情を深める最も大切なポイントは「回数」ではなく、
“その行為がどれだけ自然で、どれだけお互いを尊重しているか”です。
たとえば、
- 安心して寄り添える時間
- 相手の気持ちを丁寧に聞く姿勢
- 無理せず自然に触れ合う瞬間
- 2人が“自分らしくいられる”空間
こういった“関係の質”こそが、
長期的な愛を育てます。
回数が多くても、
お互いにストレスや義務感が生まれるなら逆効果となるのです。
◆ まとめ
性行為を倍にしたからといって、
愛が倍になるわけではありません。
むしろ、無理な増加は愛情を曇らせてしまう。
大切なのは、
“相手が心から望むこと”を、
“自分も自然に楽しみながら”積み重ねていくこと。
今日、相手の気持ちを少しだけ丁寧に聞いてみてください。
それが、何より強く、長く続く愛を育てるはずです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)


















