ブレス・カウンティングという最強の呼吸法。~名古屋心療内科コラム

◆ 「ブレス・カウンティング」って知ってる?

悩みで頭がいっぱいになったり、
やらなきゃいけないことがあるのに動けなくなったり・・・。
そんなときにおすすめなのが、
ブレス・カウンティング(breath counting) というテクニックです。

やることは、とても簡単。

吸って「1」、吐いて「2」、吸って「3」…と数えるだけ。

ただ呼吸に意識を向け、数をゆっくり重ねていく。
これだけで、ざわざわしていた心が静まり、
視界がスッキリしてくるのを感じられるはずです。

これは、雑念が湧いても「また数に戻れば大丈夫」という構造になっていて、
初心者でも取り組みやすい“やさしい瞑想法”として注目されています。

◆ 呼吸に集中すると、悩みが薄れていく理由

人間の脳は、ひとつのことに集中しているとき、
ほかの悩みや心配事が自然と弱まる仕組みになっています。
雑念が消えるというより、
「今この瞬間」だけが優先され、ほかのことが後ろへ下がる のです。

その結果、不安や焦りが薄れ、
心がクリアになっていきます。

実際、呼吸法とマインドフルネスの研究では、
「ブレス・カウンティングを数分行うだけでストレスが有意に低下する」
といった成果も報告されています。

だからこそ、頭がごちゃごちゃして動けないときほど、
一度呼吸に戻ることが「再スタートのスイッチ」になるんです。

◆ 先延ばしと“自尊心の低下”の関係

ここでひとつ、関連する興味深い研究があります。
カナダ・アルバータ大学のロバート・クラッセンらによる調査では、

「課題を先延ばしする傾向が強い人ほど、自尊心が低くなっていく」

という結果が示されています。

つまり、
「やらなきゃいけない…」と思いながら動けない日が続くと、
自分への信頼がどんどん削れていってしまう、ということ。

先延ばしが悪いのではなく、
“できなかった自分”を積み重ねてしまうことで、
自己評価がじわじわ下がってしまうんですね。

◆ だからこそ、呼吸で「最初の一歩」をつくる

先延ばしに苦しんでいるとき、
すぐに行動しようとしてもうまくいかないことがあります。
そんなときこそ、まず ブレス・カウンティングで心の土台を整える ことが大事。

呼吸が整うと、脳の前頭前野(集中・判断を司る部分)が活性化し、
「まず1分だけやってみよう」という前向きな力が戻ってきます。
これができると、「行動できた自分」が積み重なり、
自尊心もゆっくり回復していきます。

◆ まとめ:呼吸ひとつで、未来は変わる

悩みで止まってしまったとき、
完璧な計画も、強い意志も必要ありません。

まずは、
「吸って1、吐いて2」
と数えるだけでいい。

その数呼吸の間に、
あなたの心は静かに再起動を始めます。

今日、悩みや焦りを感じたら、
どうか一度だけ呼吸を数えてみてください。
その小さな一歩が、あなたの自尊心と行動力を取り戻す力になります。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

名古屋
官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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