成功してるけど、満たされない方へ。~名古屋心療内科コラム

目次
◆ 「満たされない成功」ほど虚しいものはない
社会的な成功を手に入れても、心の中が空っぽに感じる。
そんな人は意外と多いものです。
周囲からは「すごいね」「うらやましい」と言われても、
自分の中ではなぜか達成感が続かない。
次の目標を追いかけても、また同じような虚しさが訪れる。
それは、努力が足りないからでも、欲張りだからでもありません。
むしろ、「自分の心が求める方向」と「現実の努力の方向」がずれているだけなのです。
◆ 「外的成功」と「内的充実」は別のもの
心理学では、幸せを「外的成功」と「内的充実」に分けて考えます。
- 外的成功:収入・地位・実績・評価など、他人から見える成果
- 内的充実:自分の成長・心の穏やかさ・人とのつながりなど、内側で感じる幸福
この2つのバランスが取れていると、人は満たされやすくなります。
しかし、現代社会ではどうしても外的成功に偏りがちなものです。
「もっと頑張らなきゃ」「まだ足りない」と自分を追い込み続けるうちに、
“心の充電”が切れてしまうのです。
◆ 成功は「ゴール」じゃなく「通過点」
人間の脳は、目標を達成した瞬間に慣れが始まります。
これを心理学では「快楽適応」と呼びます。
つまり、人はどんな成功にもすぐ慣れてしまう。
そしてまた、新しい刺激や目標を探し始める。
これは悪いことではなく、成長のサインです。
「満たされない」と感じるのは、
あなたの心が「次の方向へ進もう」と教えてくれている証拠なのです。
◆ 「発展途上」という言葉を味方にしよう
成功しても苦しいときは、
「もう完成しなきゃ」と思い込んでいることが多いです。
でも、人間は一生「発展途上」です。
どんなに順調に見える人でも、みんな途中。
だからこそ、成長し続けられる。
実は完璧を目指すより、「今は途中」と笑って受け入れるほうが、
ずっと健やかに生きられるのです。
◆ まとめ──
「満たされない成功」は、
“心が新しい方向を求めている”というサインです。
そのサインを無視して走り続けると、
燃え尽きてしまう。
でも、その声に耳を傾ければ、次の新しい扉が開くはずです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)


















