直感は実は正しい可能性が高い、という話。~名古屋心療内科コラム

◆ 直感は“根拠のない感覚”ではない
「なんかイヤな感じがする」
「この人、いい気がする」
「理由はわからないけど、行かないほうがいい気がする」
こうしたなんとなくの感覚を、
「気のせい」「根拠がない」と片づけていないでしょうか?
しかし、その直感は、実は驚くほど正確なことが多いのです。
私たちの脳は日々、膨大な情報を無意識に処理しています。
そしてその結果が「なんとなく」や「ピンとくる」という形で現れるのです。
すなわち、直感とは「無意識のデータ分析」だったりします。
◆ 「直感」が当たる理由
心理学者ゲイリー・クラインは、
緊急時の判断を研究する中で「自然主義的意思決定理論」という考えを提唱しました。
これは、熟練者が短い時間で正しい判断を下せるのは、
過去の経験が、無意識のうちに判断のもとになっているから、という理論です。
たとえば消防士が、
「この建物、なんかおかしい」と感じて即座に退避した結果、
数秒後に崩壊を免れた、そんな事例もあります。
彼らは「理屈ではなく体で覚えたパターン」に従って判断しているのです。
このように、直感は「感情の思いつき」ではなく、
「経験」をもとに裏づけられた脳の警報システムだったりします。
◆ 「直感」を信じる人ほど、人生の満足度が高い
研究によると、直感を軽視せず活用できる人は、
決断に対する後悔が少なく、主観的幸福度も高い傾向があります。
なぜなら、「自分の感覚を信じること」は、
「自分を信じること」に繋がるからです。
他人の意見や世間の価値観よりも、
「自分はこう感じる」という感覚を大切にできる人は、
結果に対しても納得しやすく、心の安定を保ちやすいのです
◆ まとめ
直感は、根拠のない思いつきではなく、
あなたの人生経験が生み出すもうひとつの「知性」です。
👉感情でも理屈でもなく、言葉にできない「その感覚」が、
あなたの未来を守り、導いてくれるのではないでしょうか。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)