夢を言い換えるべき、という話~名古屋心療内科コラム

目次
◆ 「したい」だけでは行動できない理由
「何かをしたい」──そう考えていても、気づけば時間だけが過ぎ、実際には一歩も動けていない。
そんな経験、誰にでもあるはずです。
心理学的に言えば、「したい」という欲求は自己中心的な願望にとどまりやすく、モチベーションが持続しにくいのです。
「やらなくても自分だけが損するだけ」と考えると、脳は無意識に後回しにしてしまうのです。
◆ ポイントは「他者のため」と結びつけること
そこで有効なのが、「したい」を「やるべき」に変換する思考法です。
- 「お金持ちになりたい」
⇒「多くの人に価値や喜びを届ける存在になるべきだ」 - 「あの人とつきあいたい」
⇒「その人を幸せにできる自分であるべきだ」
こう置き換えることで、行動に「使命感」と「他者貢献」の要素が加わります。
脳は「やらなければならない」と感じると、先延ばしせず動き出しやすくなるのです。
◆ 「自己超越目標」とは?
心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンの研究によると、人のモチベーションには「内発的動機づけ(自分がやりたい)」と「自己超越的動機づけ(誰かのためにやる)」があります。
特に後者の「自己超越目標」は、幸福感・行動力・継続力のすべてを高めるとされています。
実際、スタンフォード大学の研究では、「自分の学びは社会に役立つ」と考えた学生は、単に「良い成績を取りたい」と考えた学生よりも勉強時間が長く、成績も高かったという結果が出ています。
◆ 仕事や恋愛での応用
ですので、ためしにこう考えてみてはどうでしょうか?
- 仕事:「昇進したい」⇒「自分の会社をもっと働きやすく変えたい」
- 健康:「ダイエットしたい」⇒「家族に心配をかけない体でいるべきだ」
- 恋愛:「告白したい」⇒「相手を笑顔にしたい」
こういう変換によって、単なる自己欲求が「誰かのための行動」へと昇華し、結果的に行動力が増すのです。
◆ 今日からできる「変換の習慣」
さらに日常的には、こんな行動を試してみましょう。
- ノートに「したいこと」を書き出す
- それを「誰のために?」と問い直す
- 「〜したい」を「〜すべき」に書き換える
このシンプルな作業だけで、行動の意味が変わり、気持ちがぐっと前向きになります。
◆ まとめ:行動力の秘密は「誰かのため」
- 「したい」だけでは後回しになる
- 「やるべき」と変換すると行動力が増す
- 自己超越目標は幸福感・継続力を高めることが研究で証明されている
👉 行動できないと悩んでいるなら、今日から「誰のためにやるのか」を考えてみましょう。
その瞬間、「したい」は「すべき」に変わり、人生は大きく前進し始めますよ。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)