考えるほど後悔しやすくなる!という話~名古屋心療内科コラム

◆ じっくり考えたほうが良い選択?
「大事な判断はしっかり考えてから」
多くの人がそう信じています。
仕事でも、人生でも、「時間をかけてじっくり考えれば間違いは減る」と思いがちですよね。
ところが、オランダ・アムステルダム大学の心理学者 アプ・ディクステルホイス博士 の研究によると、これは大きな誤解だというのです。
◆ 研究が示した驚きの結果
博士の調査では、人が何かを判断するときに
- じっくり考えてから行動する場合
- パッと瞬間的に決めて行動する場合
を比較しました。
その結果── 前者の「じっくり考えた人」のほうが、後悔が大きくなる ことがわかったのです。
◆ なぜ考えるほど後悔するのか?
考えれば考えるほど、正しい選択に近づけるはず。
それなのに後悔が増える理由は、主に2つです。
- 期待値が高くなりすぎる
時間や労力をかけた分、「絶対に正しいはず」という期待が膨らみます。
その分、思い通りにいかなかったときの落差が大きくなり、強い後悔につながります。 - 選択肢の比較で疲弊する
熟考すればするほど「別の選択のほうが良かったのでは?」と迷いが増え、決めた後も引きずりやすいのです。
一方、瞬間的に選んだ場合は、労力が少ない分期待も過度にならず、後悔も小さく抑えられるのです。
◆ 最適解は「システム的に実行する」こと
では、どう行動すればいいのでしょうか。
結論はシンプルです。
- 行動すると決めたなら、深く悩まず「システム的」にスタートする
- 毎日の習慣も「機械的に実行する」と考え、余計な迷いを減らす
大切なのは「考える時間をゼロにする」ことではなく、過度に熟考しすぎないこと。
決断はシンプルに、実行は機械的に。
特に時間制限を明確に定めて「この決断は3日後までに下す」と決定し、周囲にも伝えておくことが重要です。
これこそが、幸福感を高め、後悔を減らす最も効果的な方法なのです。
◆ まとめ:悩むより動け!
- 熟考型の決断は、後悔を大きくしやすい
- 瞬間的な決断のほうが期待値が低く、幸せでいられる
- 判断に時間をかけるより、「システム的に実行」することがベスト
「悩むより動く」──このシンプルな姿勢こそが、後悔の少ない人生をつくるカギなのです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)