「自分磨き」をして時間をムダにするなという話~名古屋心療内科コラム

◆ 自分磨きの限界
モテたい、出会いを作りたい、婚活をしたい。
多くの人に、そんな欲求があるかと思います。
当然です。
しかしそのために、よくヨガに行く、ジムに通う、資格を取るなどの「自分磨き」から始めようとすることがあります。
もちろん「自分磨き」は悪いことではありません。自分の自信にもつながるし、人生を前向きにする効果もあるでしょう。
しかし「それだけ」をやっていたら、さすがにちょっと、と思ってしまいます。
冷静に考えてみてください。
知らない誰かがジムに通っているとして、それを知って「すごい!」と感動したり、恋に落ちたりしますか?
正直、どうでもいいと思うのではないでしょうか。
◆ 人を惹きつけるのは「特別なこと」じゃない
結局、人の心を動かすのは「外見的な条件」や「スペック」だけではありません。
むしろ日常の小さな行動が、圧倒的に人の心をつかむのです。
- 帰ってきたときに「おつかれさま」と声をかけてくれる
- さりげなく肩を揉んでくれる
- 「いつも頑張ってるね」と一言伝えてくれる
- 自分の行動にたいして、優しくほめてくれる
そんな存在がそばにいたら、顔や条件なんて関係なく「好き」になってしまうもの。
これこそが人間関係の本質ではないでしょうか。
◆ 「ただの人」の行動を過小評価しない
私たちは「特別な人」や「高スペックな人」に価値を置きがちです。
しかし実際には、心を温めるのは 「ただの人の、ただの小さな行動」 だったりするのです。
人は、自分を大切に扱ってくれる相手に惹かれます。
だからこそ、自分磨きに時間をかけるよりも、まずは 誰かにとって安心できる存在 になることの方が大切なのです。
ですので出会いがない、という場合、とにかく目の前の人にやさしくすることから始めてみましょう。
軽くほめてあげる、話を聞いてあげる、お茶やお菓子をあげる、など、本当に小さなことで構いません。
これを繰り返すだけで、相手にとってかけがえのない存在になっていきます。
もちろんその相手が恋愛対象でないにしても、あなたの人気が上がれば、さらにいい相手が近づいてきてくれるかもしれません。
とにかくまずは目の前の人に優しく。それだけなのです。
「ただの人」の行動を過小評価しないでください。
その積み重ねが、あなたを誰かにとってかけがえのない存在にしてくれるんですよ。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)