「デブ予防には噛む回数こそが最重要」という話~名古屋心療内科コラム

◆ なぜ「よく噛まない」と太りやすいのか?
「早食いの人は太りやすい」──これは昔から言われていることです。
しかし実は、研究データでも裏付けられています。
岡山大学の研究では、「ゆっくり食べる人」に比べて「早食いの人」は肥満リスクが約4.4倍も高いという結果が示されました。
つまり、同じ食事内容でも「食べ方」次第で太り方がまるで変わるのです。
◆ 咀嚼がもたらす“ダイエット効果”
ではどうしてこの差が生まれるのでしょうか?
実は「よく噛む人」にはさまざまなメリットがあります。
- 食欲を抑える
噛むことで脳内に「ヒスタミン」や「GLP-1」といったホルモンが分泌され、自然と少量でも満足できます。 - 消化が良くなる
細かく砕かれた食べ物は胃腸に負担をかけず、スムーズに消化・吸収されます。これによって血糖値の急上昇も抑えられます。 - レプチンが出る
さらによく噛むと、「レプチン」というホルモンが放出されます。
これは若返りホルモンとも言われており、よく噛むことによって、どんどん美しく若返っていくとされています。
これらの理由で、「よく噛む」ことは、体にとってもダイエットにとっても非常にいい、ということになるのです。
◆ 噛む習慣を増やすコツ
ではどうしたらたくさん噛めるのでしょうか。
以前も書きましたが、
「1234,2324,3234,4234」
と繰り返しつつ、リズムを意識して噛むのが良いかと思います。
とりあえずリズムにのって噛んでいれば、「あぁ、たくさん噛むのが面倒くさい」という気持ちが抑えられ、長く噛めるようになります。
あとはこれを1セットとして、3セットすれば、16×3となり、約50回になります。
何度も噛むのが自然になってくると「あれ、今までよくこれより少ない回数で飲み込んでたな?」という気持ちになってきます。
ぜひぜひ試してみていただければ幸いです。
◆ まとめ:「噛む=最高のダイエット習慣」
ダイエット法は世の中にあふれていますが、実は一番シンプルで効果的なのは「よく噛む」こと。お金もかからず、今日からすぐにできる最強の習慣です。
「咀嚼回数が少ない人は肥満リスク4倍」。あらためて認識して、ぜひ次の食事から「ゆっくり噛むこと」を意識して、太りにくい身体をつくっていきましょう。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。