人間が集中できる時間は8秒しかない、という話~名古屋心療内科コラム

8秒しか続かない集中力
カナダの研究チームが行った調査によると、人間が一つのことに注意を向け続けられる平均時間は、わずか8秒 しかないことが分かりました。
この研究では112人の脳活動を詳細に計測。
その結果、驚くべき短さが明らかになったのです。
金魚の方が集中できる!?
比較のためによく出されるのが「金魚の集中時間」。
実は金魚は約9秒間、同じ対象に注意を向け続けられるとされています。
つまり―― 私たちは金魚よりも集中力が短い 可能性があるのです。
いえ、だからといって人間が金魚よりダメだ!というつもりはありません。
そもそも生き物にとって、注意を向ける力は、生死を分ける重要なもの。まさに本能です。
逆に小動物の方が、そういう注意力は強いのかもしれません。フォローになっているかなっていないか分かりませんが、そんな感じです。
なぜ人間はすぐ注意がそれるのか
では、そもそも人間はどうして長時間注意が持たないのでしょうか?
実は世界にスマートフォン、SNS、メール、動画…。現代社会は常に「新しい刺激」で溢れています。
脳は本能的に「新しい情報」に反応するよう設計されているため、長く同じことに注意を向けるのがどんどん難しくなっている可能性があるのです。
長い話は誰も聞いていない
だからこそ、会議やプレゼンで延々と話しても、ほとんどの人は集中して聞いていません。
むしろ最初の数秒で「面白そうかどうか」を判断し、その後は頭の中で別のことを考えてしまうことが多いのです。
どうすればいい?
よって以下の点を気をつけてみましょう。
- 話は短く、要点を最初に伝える
- 区切りごとに具体例や質問を挟む
- 集中力が切れる前に、聞き手を巻き込む
これらを意識するだけで「聞いてもらえる確率」は格段に上がります。
まとめ
人間の集中力はたったの8秒。金魚にすら負けるかもしれない――そんな現実を知るとショックかもしれません。
しかし逆にいえば、「最初の8秒をどうつかむか」が勝負。
会話でもプレゼンでも、冒頭の一言に全力を込めることが、現代における最大の戦略です。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)