散らかったままだと仕事効率が下がるという話~名古屋心療内科コラム

脳は「秩序」を好む
2011年、プリンストン大学の研究チームは、こんな実験を行いました。
被験者の視界にモノが散らかった状態と、整頓された状態をそれぞれ用意し、そのときの脳の働きを調べたところ…。
無秩序な空間にいるとき、人の認知能力は著しく消耗される ことがわかりました。
つまり、散らかった机や部屋は「視覚的ノイズ」となり、集中力や判断力を奪ってしまうのです。
散らかった環境が先延ばしを招く理由
そもそも私たちが「やらなきゃいけないのに、なぜか後回しにしてしまう」とき、その背景には往々にして 脳のエネルギー不足 があります。
やるべき課題に取り組む前から、すでに散らかった環境によって脳は疲弊している。だからこそ、「また後で」と先延ばしを選んでしまうのです。
ここで別の研究で「いやいや、脳のエネルギーには限りがない!だから何をどれだけ判断しても大丈夫!」という結果もあったりします。
もちろんそれも一つの真実で、確実にそう思えたら最強だとは思いますが、ただ一般的に、やはり集中力を奪うものが多々あったら、気持ちもそがれてしまう可能性が大です。
先延ばし対策=身の回りの整理整頓
よって先延ばしをやめたいなら、まずは環境を整えることが効果的です。
・机の上をいったんリセットする
・目に入る不要なものは片付ける
・「今使うもの」だけを残す
このシンプルな工夫で、脳が余計な情報処理をしなくて済み、本来の集中力を発揮できるようになります。
また片付けるのが大変であれば、とにかく「たった一つ」でいいからどかす、というシンプルな作戦がベスト。
ちょっとした変化があるだけでも、気持ちは大きく変わります。
「整理整頓」で自分を助ける
整理整頓は、単なる習慣ではなく 脳を味方につける心理戦略。
「先延ばしグセ」を直したいと感じるときこそ、まずは身の回りを整えてみてください。
思った以上に、行動のハードルが下がるはずです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)