勉強で成功確率を上げようとするより、実行が大切、という話~名古屋心療内科コラム

100枚に、1枚だけ当たりが入っている宝くじがあったとします。

これを100人で引いたら、当然ですが、1人は当たります。

するとその1人にたいして、周囲の人が

「えええっ! すごーい! どうやったの!?」

みたいに群がります。

そのあたった人は、嬉しそうに
「いや、今日、手を洗ってから来たのが良かったかもしれない」
「朝ご飯を抜いたのが良かったかも…!」
なんて話すかもしれません。

その話をみんながメモを取ったりして
「オレもそうしてみよう!」
「私も!」
なんてマネするかもしれません。

でも、そこに大した効果なんてないだろうことは、我々にも分かりますね。

他にも「じゃんけん大会」で考えても同じ。

100人またはそれ以上で、「じゃんけん」でトーナメント戦をしたとします。

すると誰かは、当然ですが「全勝」して優勝します。

このときもその優勝者は「どうして自分が勝ち続けられたか」みたいなことをセミナーで語ったり、本にしたりします。

これも同様で、冷静に考えたら「たまたま」なのに、いかにも「すごい成功法則」みたいに、多くの人がありがたがって読みます。

これ実は、ビジネスなどでも、同じことが起こっている可能性があります。

よく「一代でこれだけの資産を築いた人が教える、お金を稼ぐセミナー!」「会社をこう大成させた人が教える成功法則!」みたいなセミナーがありますが、これだって実は「たまたま」な可能性もあります。

それとまったく同じことをしても、決して成功できる保証なんてありません。

いえもちろん、何も学ばないよりは多少は成功確率は上がるかもしれませんが、一番の問題は
「成功確率を上げるために、エンドレスで勉強ばかりし続けて、何も実行しないままに、時間ばかりが過ぎてしまうこと」です。

たとえば、じゃんけんでたくさん勝った方がいい、みたいなルールであったら、じゃんけん必勝法則を学ぶあいだに、一回でも多くのじゃんけんをすることです。

結局、人生というのは、たくさんたくさん勝負をした方が、多くの勝利を積み上げられるようにできているのです。

もちろんですが、負けてお金を失ってしまうこともあります。
であれば、自分の資産の1/5まででできる範囲で勝負する、などでも構いません。

何よりもムダなのは、どんな失敗よりも「何もしないまま老いていくこと」です。

後悔しないために、どうか覚えておいてくださいね。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)