ネットの誹謗中傷バトルが起こる理由~名古屋心療内科コラム

ロンドン大学のサクウィンダー・シャージルは、こんな実験を行いました。
まず被験者をペアにして、それぞれ別のレバーに指を触れさせました。
このレバーは、加えられた力をそのまま相手に伝えます。

すなわち、片方が10kgの力で力を加えたら、そのまま相手にその力が伝わるわけです。

これをペアにしてお互いに触らせて、相手の力をそのまま感じるようにしました。

そして力を加えるたびに順番を交代させ、
「相手と同じ力でレバーを押し返してください」
と指示をしたのです。

すると、「同じ力」と明確に伝えたにもかかわらず、常に力は強くなりました。
平均して、毎回38%くらい、かける力が上がっていったのです。

これは明確な理由が分かっていませんが、おそらく人間は
「自分の受けた力やダメージを、実際以上に重く取る」のかもしれません。

または逆に
「相手に行動をしかけるときに、相手に与えるインパクトをずっと軽く見積もる」
のかもしれません。

いずれにせよ、お互いにやり返しを続けさせると、どんどん攻撃はヒートアップしてしまうわけです。

世の中に悲惨な戦争は多々あります。
でもこれだって、最初からお互いに「相手を壊滅させてやろう」と思っていたわけではないのではないしょうか。

まずは片方が片方に何らかのダメージを与える、するとそこに報復しようとする…これを繰り返しているうちに、どんどん破壊的になっていった、という戦争だって多いのではないかと考えられます。

子供のケンカだって、最初はただの口論だったものが、どんどん言い合いがひどくなり、最後には手が出て…ということも多いものです。

そしてネット。
最初は何気ない一言だったのが
「それはどういう意味ですか!?」
など言い合いが始まり、口汚く罵り合う…という状況が、そこかしこで起こっています。

もし思い当たることがあったら、ちょっと深呼吸です。

ネットから離れてみるのも一案です。
言い合っても時間が過ぎていくばかりで、得られることは何もない、ということを覚えておきましょう。
(それでもダメそうな相手なら、弁護士さんが一番だと思います)

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

名古屋
官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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