ヒマすぎても「うつ」になるという話。「定年後うつ」名古屋心療内科コラム

「定年後うつ」という言葉をご存知でしょうか?
定年を迎え、仕事をやめた中年男性が、そのあとにうつになってしまう現象を指します。
実際に仕事をやめると、今までのストレスや重責から解放されて、気持ちがラクになるようなイメージがありますよね。
しかし人は「やるべきこと」がなくなってしまうことで、自分の立ち位置が分からなくなってしまい、うつになってしまうリスクがある、というわけです。
これは実は「退職」した人でも、同様のことが起こったりします。
仕事をやめて、あぁ良かった…と思いきや、やはり自分の立ち位置が分からなくなってしまい、落ち込んでしまうわけです。
そういう意味では「休職」の場合は、その仕事という立ち位置を持っているため、そこまで落ち込む人は少なくなります。
何にせよ重要なこととしては、「やることが何もない」からといって、気持ちが安定化するわけではない、ということ。
よってもしあなたに思い当たることがあれば、何でもいいので「楽しめるもの」を見つけること。
それこそ、趣味でもゲームでも構いません。
短時間であっても、夢中になれて、それだけに取り組めるものがあれば、気持ちを持ち上げることができます。
または家族でも友人でも、一緒にいることで楽しい人と過ごすというのも手。
何であっても、何か「この時間が充実している」というものを持つことが、何より気持ちを活性化するのです。
休んだり、またはいつか定年を迎えたときのために、覚えておいていただければ幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)