「行為」ではなく「そういう人間」で自分を変えろ!~名古屋心療内科コラム

あなたは「どうしてもやりたい行動」や「どうしてもやりたくない行動」があるときってありませんでしょうか?
自分はもちろんあります。
さてでは、そんなとき、どうすれば自分の行動を変えられるのでしょうか?
実はこの場合に最重要なのは「行動」ではなく「人間」で語れ、ということです。
たとえば禁酒をしたいときに、
「お酒を飲んじゃダメだ!」
と思うと、ついつい命令にたいして反発したくなって、飲みたくなってしまいます。
またもしそのときはうまく飲まなかったとしても、また飲みたくなったときに、
「今度も飲んじゃダメだ!」
というように、同じく言い聞かせなくてはなりません。
するとストレスがたまって「さっきはガマンできたんだから、今回はいいはずだ…!」なんて考えて、飲んでしまうこともありえます。
では一体どうすればいいのでしょうか。
それこそが
「自分はお酒を飲まない人間だから」
と言い聞かせることです。
すると「あぁ、そうだ、もう飲まない人間なんだ、だったら飲まないのは当然だな」と思って、飲みにくくなります。
また次のタイミングで「飲みたいかも」という気持ちが出たときも、
「いやいや、飲まない人間だから」
と同じセリフを思えば「あぁ、そうだ」と思いやすくなります。
これは勉強中の誘惑にたいしても同じ。
「勉強中にスマホを見ちゃダメだ!」
なんて考えると、やはり「行動」ゆえに、ストレスがたまります。
しかし
「自分は勉強中にスマホを見ない人間だから」
と思えば、「あぁそうだ、そういう人間なんだ」と思って、すんなりスマホを見なくなります。
このように「人間」としてレッテルを貼っていくと、自分を望ましい方向に変えていくことができます。
これはどんな場面でも応用できます。
「告白しよう!」⇒「自分はこういうときに告白する人間だ」
「怒るのをやめよう」⇒「自分はすぐに怒らない人間だ」
こんなふうに、一つ一つの場面で、自分は「その行動をする・しない人間だ」と考えること。
それこそが、あなたの行動を最短で変えていく方法なのです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)