ボーッとしてると、より心が疲れる!?~名古屋心療内科コラム

みなさんは「ボーッとしている」ことってありますか?

まぁ、「一度もないよ!」という人はいませんね。当然です。

では長時間にわたってボーッとしていたら、人はどうなってしまうんでしょうか。

実はアメリカ、ワシントン大学の心理学者、レイクルの研究によると
「人間は、何かに忙しいときより、何もせずボーッとしているときに、脳がニ倍のエネルギーを使ってしまう」
のだそうです。

この「ボーッとしているとき」に働く脳の回路を「デフォルトモードネットワーク」と呼び、それは意識して何かを考えていたり、夢中で何かの作業をしているときより、ずっとカロリーを使ってしまうわけですね。

よく「今日は何もしていないのに疲れた」ということって多々ありますけど、それはこれが理由だったわけです。

逆に「ゲームに夢中!」とか、
「この仕事をどうしても終わらせたい!」
と思って全力で取り組んでいると、不思議と疲れないというか、気づくと時間がたっている、ということも多々あります。

特に推しのライブに参加していたら、もう大興奮でしょうし、体もめっちゃ動かしているはず。

しかしそのあとに「あぁ疲れた、つらい」と思うことはないはずです。
逆にハイテンションで、もっともっと色々なことができる、くらいに思ったりしませんでしょうか。

これは「好きな人とのデート」でも同じですね。

当然のように緊張しますが、「疲れ切って眠りたい」とは思わないはずです。

もし「たくさん脳を動かすほど疲れる」というのなら、ある意味、矛盾していますよね。

すなわち脳を疲れさせず、長期的に使いたい、長期的に活性化させていきたい、と思うのなら、
「何かに夢中になる」
ということが最重要なのです。

では、どうしたら夢中になれるのでしょうか。

もちろん常に推しのライブやデートや夢中な仕事があればベストですが、まぁ、当然、そんな生活はありえません。

自分がオススメするのは、常に思い出すたびに「短時間ゲーム」を考えてみること。

「よし、今から10秒のあいだに起き上がるゲーム!」
「あと一分以内に、勉強をはじめるゲーム!」
「五分のあいだに、この作業にとりかかるゲーム!」
「一時間でこれを終わらせるゲーム!」

みたいな形で、時間制限とゲーム設定をしてみましょう。

それだけでその作業に夢中になりやすくなります。

これを思い出すたびに繰り返していれば、頭も疲れませんし、さらに成果もたくさんあがるというオマケもついてきます。

ぜひぜひ試してみていただければ幸いです。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)