自信をつけたきゃ、自分を「赤ちゃん」だと思え!~名古屋心療内科コラム

メンタルクリニックにはたくさんの人が来ますが、多くの悩みに共通するのは
「自分で自分を責めるパターン」
です。
「なんであのときにあんなことを言ったんだろう」
「過去のわたしが許せない」
「僕ってどうしてこんなこともできないんだ…!」
こんなふうに自分の過去や能力の足りなさを責め続けたりします。
もちろん、「他人のことを責める」タイプの人もいますが、よくよく話を聞くと、
「あの人に言い返せなかった自分がイヤだ」とか
「あんな人としかつきあえない自分も嫌い」
というように、やはり自分を否定するパターンの思考を持つことも多いものです。
しかし、です。
ふと僕たちは、自分にたいして、あまりに厳しくなりすぎていませんでしょうか。
もちろん反省は大切なことです。
しかし大体の場合、反省を通り越して、エンドレスに自分のことを責め、キズつけ、必要以上に落ち込んでしまい、その結果、何もできなくなってしまったり、心を病んでしまうことも多いように思えます。
よって重要なのは、とにかく自分に「甘く」接してみること。
究極、自分は「生まれたばかりの赤ちゃん」であり、そしてそれを見ている「優しい母親」や「優しい父親」という視点で考えてみてはいかがでしょうか。
「あっ! 飲み物飲んだんだ! エラいねぇ~!」
「今日もちゃんと会社いけたの!? すごーい!」
「歩いてる! 歩けてるなんて天才!」
もうそれくらい、ほめ基準を下げても構いません。
このくらいに甘く甘く考えると、ふとクスッとしてしまい、気持ちに余裕ができてくるはずです。
ここで「そんなに甘くすると、増長してロクなことにならないのでは?」と思う人がいるかもしれません。
しかし実際、生まれたばかりの赤ちゃんにたいして、親はこれくらい甘く接することも多いものですが、赤ちゃんが増長してロクなことにならなかった、という話は聞いたことがありません。
それどころか自信をつけて、一生のうちで一番発達・成長することができるのではないかと思います。
逆にその時期に親があまりに厳しく、「何そのハイハイのしかた! みっともない!」とか、「立てたのはいいが、姿勢がなってない! きちんとしなさい!」なんて怒ってたら、子供はだいぶ自信をなくすと思います。そしてその接し方は、そのまんま、落ち込みやすい人の、自分への接し方なのです。覚えておきましょう。
大切なのは、まずほめ、ポジティブに受け入れてあげること。
ぜひぜひ覚えておいていただければ幸いです。
何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)