退屈だと思う人は「重病」を考えよ!~名古屋心療内科コラム

「日常の輝きを取り戻すために」
「毎日退屈だな…」
「なんかつまらないな…」
「もっと刺激と幸せがあればいいのに…」
そんなふうに思う人は多いものです。
その場合、大きな病気や、超大怪我をしてしまった、と想像してみましょう。
間違いなく、
「あぁ、早く治りたい!」
「そもそも治るのか…!? 治るならどんなことをしてもいいのに…!」
と全力で希望するはずです。
そしてもしそれが治癒したら…!
そのときのあなたに待っているのは「今」とまったく同じだけの日常です。
何もない、今のあなたが、退屈だったりつまらなかったりする、この日常です。
しかしそのとき、どう思いますでしょうか。
「あぁ、なんて幸せなんだ!」
「今の生活が本当に素晴らしい!」
と考えるのではないでしょうか。
どんな刺激やプラスの幸福などがなくても、最高の気分になれるはずです。
実際に、あまりに過酷なナチスドイツの収容所を生き抜いたエディ・ジェイクという男性は、
「自分は世界で一番幸せな人間である」
と述べています。
普通に考えたら不幸だと思うわけですが、過酷すぎる収容所で、地獄のような生活をしてきた後だと、
我々が感じる「退屈な日常」も、最高の幸せのように感じられたのではないか、と考えられます。
ものすごく趣深い話しですね。
ですのでみなさんがもし「退屈」「つまらない」と考えているのなら、ぜひぜひ「重病」や「大怪我」、または何らかの「大変な状況」を考えてみるのが有効ではないかと思います。
僕たちは日々の生活の中で、「特別な出来事」や「大きな幸福」を求めがちです。
しかし、本当の幸せとは、決して派手なものではなく、すでに目の前にある小さな喜びの積み重ねなのかもしれません。
何気ない毎日こそが、かけがえのないものであることに気づいたとき、世界は少し違って見えますよ。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)