今とは「別」のことを考えると不幸になる!名古屋心療内科コラム

「幸せになりたいなら、今を生きること」

ふと気づくと、過去の後悔や未来の不安に心を奪われてしまうこと、ありませんでしょうか。

「あのとき、ああしていれば…」
「これから、どうなってしまうのだろう…」

このように、今やっていることとは関係のないことを考えていると、不思議と気分が沈んでしまうものです。
実際にハーバード大学の心理学者、キリングワースらは、5000人以上の人を対象にして
「今何をしていますか? そして今どんな気分ですか?」
と聞きました。
その結果。

「今やっている行動と違うことを考えているほど不幸」で、
「今やっている行動について考えているほど幸福」
ということが分かりました。

みなさんも覚えがありませんでしょうか。

仕事をしながら、趣味のことを考える。
勉強をしながら、スマホが気になってしまう。

こういう状況だと、どんどん今が退屈になり、不幸になってしまいます。

しかし、逆に 「今、目の前のことに集中する」 だけで、人はぐっと幸せに近づくのです。

たとえば…
本を読んでいるときに、その世界に没頭する。
お茶を飲むときに、香りや温かさをじっくり味わう。
散歩するときに、風の心地よさや、葉っぱの揺れる音に耳を澄ませる。

これは、マインドフルネスとも言われる考え方。
「今ここ」に集中すると、余計な不安が消えて、心が落ち着きます

反対に、何かをしている最中に関係のないことを考えていると、その時間はただの「消費」になってしまいます。仕事中に「早く終わらないかな」と思いながら作業するのと、「この作業に集中しよう」と思いながら作業するのとでは、疲れ方も違いますし、達成感も変わってきます。

「今」に生きる習慣を身につけましょう

もちろん、ずっと集中し続けるのは難しいものです。しかし、少しずつでいいので、「今この瞬間」に意識を向ける習慣をつけてみましょう。

食事の際は、スマホを見ずに味をじっくり感じる。
仕事をするときは、音楽を消して、一つの作業に没頭してみる。
ぼんやり考えごとをしていると気づいたら、「今、自分は何をしているんだろう?」と問いかけてみる。

たったこれだけでも、気持ちが変わってくるはずです。

「今、ここ」に集中すること。
それが、幸せへの近道なんですよ。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

(完)