やる気より「システム」を作れ!名古屋心療内科コラム

よく
「僕には意志の力がないんです」とか「やる気をアップするにはどうしたらいいんですか?」
という質問をいただきます。
しかし、正直、「やる気や意志の力」ほど意味のない言葉はない、と思っています。
たとえば「やる気」。
人間の気持ちなんて、ものすごくあいまいです。
波があって、上下動するものです。
精神医学では「躁うつ病」という病気があります。
興奮した躁状態と、気持ちが落ち込むうつ状態を繰り返す病気です。
たとえばドイツの文豪であるゲーテもこの病気であったとされています。
これはまさに、脳内のホルモンバランスが周期的に変わってしまうことによって起こる症状です。
もちろん躁うつ病ほど重くなくても、どんな人でも、多かれ少なかれ、心の揺れ動きは存在します。
やる気がたくさんあるときもあれば、やる気がないときもある…というわけですね。
そのため、どんなに「決意」をしても、その決意は数日後、いえ数時間後、悪くすれば数分後には「面倒くさい」になってしまう可能性もあるわけです。「意志の力」も同様です。
よって重要なのは、もう「システム」を作り、それをとにかく「習慣」にしてしまうこと。
トイレに英単語帳を置いておいて、トイレでは必ずそれを読む。
また、起きたら必ず参考書を開くなど、日常習慣に「セット」にしてしまうのが一番オススメです。
特にTODOリストのアプリなどを使って、何かの習慣を終えないといけない、というシステムを作ることです。
すると新たな習慣が歯磨きをしないと気持ちが悪い、というレベルになり、毎日継続することができるようになります。
もちろんすべて実行はできないかと思いますが、一部でも実行し続けられるようになれば、何もしないよりずっといい効果を生むはずです。ぜひぜひ覚えておいていただければ幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)