気持ちを「外の何か」で満たすのはダメという話。~名古屋診療内科コラム

◆ 外から気分を上げようとすると、永遠に飢える
「酒を飲めば気分がいい」
「お菓子を食べれば満たされる」
「SNSで“いいね”が欲しい」
「もっと愛されたい」
誰でも一度は、外の何かを使って気持ちを良くしようとします。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
けれど、これを“心の柱”にしてしまうと、苦しみが生まれます。
なぜなら、外部の刺激は 一瞬で切れる からです。
お酒は酔いが覚める。
お菓子は満腹と同時に罪悪感がくる。
SNSの反応は数秒で流れる。
他人の「愛してくれるかどうか」は、自分でコントロールできない。
外側のもので心を満たそうとすると、
永遠に“もっと、もっと”と求め続ける状態になり、
心理学ではこれを 外発的報酬への依存 といいます。
いくら追いかけても心が落ち着かないのは、その仕組みのせいです。
◆ 自分の感情は、自分で作るしかない
本当に満たされるためには、
外ではなく 内側から湧いてくるエネルギー が必要です。
その中でもっともシンプルで、もっとも強力なのが、
「自分で自分を褒める」という自己暗示 です。
「自分すごい」
「今日もよくやった」
「私は成長してる」
たったこれだけの言葉で、脳は“自分を肯定していい状態”に切り替わります。
心理学でも、この自己評価の再設定を セルフトーク と呼び、
モチベーション・幸福感・自信を大きく左右する要因として研究されています。
つまり、気分を上げる力は本来、自分の中にあるのです。
◆ 自分を上げる言葉が、脳の回路を変える
脳は、繰り返し聞かされた言葉を“真実”として受け取ります。
これは 認知の自己強化の現象で、
スポーツ選手や経営者が自己暗示を使うのも、
この効果が科学的に証明されているからです。
「私なんて…」と繰り返せば、その通りの自己像が形成され、
「自分はすごい」と繰り返せば、
脳は“すごい人としての行動”を選び始めます。
自分を上げる言葉は、
外部の刺激とは違い、
耐久性があり、自分でコントロールできる幸福感 を育てます。
◆ まとめ
外側の刺激で気分を上げるのは、一時しのぎ。
本当に心が満たされるのは、
内側から「自分は大丈夫だ」「自分はすごい」と思えるときです。
だから今日から、小さくつぶやいてみましょう。
「自分、すごい。」
その一言が、あなたの心のエネルギー源になります。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)


















