プチ遺言というライフハック。~名古屋診療内科コラム

◆ 「今日死ぬとしたら、何を伝える?」
少しドキッとする問いかけかもしれません。
でも、もし「今日が人生最後の日だったら」と考えて、
家族や大切な人にひとこと遺すとしたら、あなたは何と書きますか?
この“ひとこと”を、毎日ほんの数行だけ書く。
それが今回紹介するライフハック、「プチ遺言」です。
◆ 「プチ遺言」を書くと、何が変わるのか
遺言と聞くと、少し重い響きがありますが、
プチ遺言は「死を意識することで、今を丁寧に生きる」ための習慣です。
心理学では、こうした視点を「死の意識」と呼びます。
実は、人は“自分の死”を少しだけ意識することで、
日常の出来事をより深く味わえるようになるといわれています。
アメリカの心理学者シェルドン・ソロモンらの研究でも、
「死を想起すること」は不安ではなく、
自分の価値観を明確にし、より意味ある行動を促すことが示されています。
つまり、プチ遺言を書くことは「生き方を再確認する行為」でもあるのです。
◆ 「自分が何を大切にしているか」が見えてくる
たとえば、プチ遺言にこんな言葉を書く人がいたとします。
- 「家族にはいつも感謝しています。」
- 「もっと挑戦してもよかったかも。」
これらの言葉には、その人が何を大事にしているかが自然に表れます。
愛情なのか、挑戦なのか──。
プチ遺言を続けるうちに、自分の中の“軸”が見えてくるのです。
その軸があると、迷ったときの判断も早くなります。
「本当に大事なことって何だろう」と悩む時間が減り、
今日をどんなふうに過ごすかを意識的に選べるようになります。
◆ まとめ──“終わり”を意識するから、“今”が輝く
プチ遺言は、“死”を考えるためのものではなく、
“生”を実感するための習慣です。
未来を心配するより、
過去を悔やむより、
「今日をどう生きるか」に心を向けてみましょう。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)















