「嫌い」より「好き」の相手と仲良くするべし、という話。~名古屋心療内科コラム

◆ 「嫌い」でつながる関係は、すぐ壊れる
「○○さん、ちょっと苦手だよね」
「わかる〜私もあの人苦手!」
こうして会話が弾んだ経験、誰にでもあると思います。
共通の“敵”ができると、一時的に距離が縮まったように感じますよね。
でも、これはとてももろい絆です。
心理学ではこれを「ネガティブ・ボンド」と呼びます。
しかし、共通の“嫌い”でつながる関係は、安心感ではなく敵意の共有によって成り立っているため、
時間が経つと、今度はその矛先が自分に向くリスクがあるのです。
つまり、あなたが誰かの悪口で盛り上がっている相手は、
別の場所であなたの悪口を言っている可能性も高いのです。
◆ 「好き」でつながる関係は、長持ちする
一方、「あの人すごく頑張ってるよね」「この映画よかったね」といった、
“好き”を共有できる関係は、長く続く温かい絆を生みます。
つまり、“好き”の話で盛り上がる人同士は、
互いに「一緒にいると楽しい」「自然と元気になる」と感じる。
その感覚が、人間関係の中で最も強力な“接着剤”のような効果を果たすのです。
◆ 「嫌い」の連鎖を断つ方法
とはいえ、人間なので「嫌い」がゼロになることはありません。
大切なのは、「嫌い」を軸に人付き合いをしないこと。
たとえば誰かが悪口を言ってきたら、
「でもあの人のこういうところはいいよね~」と、
さりげなく“好き”の方向に話を戻してみる。
最初は違和感があっても、これを続けると、
自然とポジティブな人間関係が周りに残っていくようになります。
◆ 「好き」で語れる人とだけつながる勇気
誰かを嫌いになるのは、悪いことではありません。
ただし、それを“共有のエネルギー源”にしないことが大事なのです。
「好きな人」「好きなこと」を語り合える仲間は、
あなたを成長させ、前に進ませてくれる人たちです。
だからこそ、「何を語るか」ではなく「誰と語るか」を選びましょう。
◆ まとめ
「嫌い」でつながる人は、あなたの心を消耗させる。
「好き」でつながる人は、あなたを明るくしてくれる。
どちらの輪にいたいかは、自分で選べます。
ですが、あなたの“好き”を大切にできる人と時間を過ごすことが、
なにより大事なことだと思います。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)


















