満たされない日常を感じてる人向けテクニック~名古屋心療内科コラム

◆ 満たされない心の正体
「なんだか満たされない」「何をしても心が空っぽな感じがする」——
そんな瞬間は誰にでもあります。欲しいものを手に入れても、SNSで誰かの幸せを見ても、なぜか自分の心が動かない。
でも、それはあなたが欠けているからではありません。
“満たされない感覚”の多くは、「すでにある幸せを感じ取る力」が鈍っているサインです。
私たちは日々、空気のように当たり前のものに囲まれています。家がある、体が動く、食べるものがある、人と話せる——それらは実はすべて奇跡のような恵みです。けれど、慣れてしまうと見えなくなってしまうのです。
◆ 呼吸を止めてみる、という気づきの方法
もし「何か足りない」と感じたら、試しに数秒だけ呼吸を止めてみましょう。
やがて胸の奥が苦しくなり、「息を吸いたい」と体が叫びます。
そして新しい空気を吸い込んだ瞬間、「ああ、生きてる」と感じるはずです。
そのとき、さっきまで“当然”だった空気が、どれほどありがたいものかがわかります。
たった一呼吸で、世界の見え方が変わる——それが「気づき」の力です。
これは心理学でも「マインドフルネス」と呼ばれ、今この瞬間に意識を戻すことで幸福感が高まるとされています。
◆ 「当然」は、実は奇跡
毎日同じように朝が来て、同じようにご飯を食べて、同じように夜を迎える。
それがどれほど貴重なことか、私たちは忘れがちです。
でも、ほんの少し視点を変えるだけで、その「当たり前」が光り出します。
- 空気を吸えること
- 家族や友人がいること
- 好きなことを選べる自由があること
- 今日という日がもう一度訪れたこと
こうした“当然”の積み重ねこそが、私たちを支える大きな幸せです。
◆ まとめ:今日、息を吸えることを喜ぼう
満たされない日があっても大丈夫。
そんなときこそ、深く息を吸ってみてください。
生きている——その事実だけで、もう十分に満たされているのです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)