どんなことでも目標を持っておくべし、という話~名古屋心療内科コラム

◆ 目標がある人は年収も高い?
ある調査では、「将来の目標を持っている人は、何も持っていない人より年収が高い」 という結果が示されています。
これは特別な能力があるからではなく、目標が「行動の道しるべ」になるからです。
心理学で「目標設定理論(Goal-setting theory)」というものがあります。
これは、具体的で明確な目標を持つことで、人は努力の方向がはっきりし、成果が上がりやすいとする考え方です。
たとえば「5年後に結婚したい」と思っている人は、今の人間関係を大切にしたり、新しい出会いを探そうとします。
「10年後までに資格を取る」と思っている人は、勉強時間を確保したり、計画を立てたりするようになります。
つまり、目標を持つこと自体が行動を変え、その積み重ねが未来を形づくるのです。
◆ どんな目標でも大丈夫
「そんな大きな目標、思いつかない…」と思う方もいるかもしれません。
でも、目標は大きなものである必要はありません。
- 「1年後には旅行に行きたい」
- 「半年後には5キロやせたい」
- 「来月は本を3冊読む」
こうした小さな目標でも、行動に方向性が出てきます。
大切なのは「なんとなく生きる」ではなく、「こんなふうになれたらいいな」と思える未来を描くことなのです。
◆ 目標が心を支えてくれる
人生には、思い通りにならないことや挫折もあります。
でも、目標を持っていると「この経験は未来のための一歩」と意味づけられやすくなります。
これは心の安定にもつながります。
たとえば仕事で失敗して落ち込んだときでも、
「この経験も資格試験に活かせるかもしれない」と思えたら、ただの失敗ではなく「未来につながる一歩」になります。
◆ 今日からできること
1.紙に書く
「〇年後にこうなっていたい」と一行書くだけで、未来が少し具体的になります。
2.小さな行動を決める
大きな目標に向けて「今日は10分だけ勉強する」「帰宅後に1ページ読む」といった小さな一歩を決めます。
3.見返す習慣をつける
書いた目標を週に一度見直すだけで、日常の選択が少しずつ変わります。
書いてみるだけで、頭の中でぼんやりしていた未来が少しだけ輪郭を持ちます。
そして、それに向けた小さな行動が自然と始まるはずです。
◆ おわりに
目標は人生を縛るものではありません。
むしろ「未来を少しワクワクしながら待てるもの」です。
小さなことでもいいので、「自分はどんな未来を望んでいるのか」を描いてみませんか。
その一歩が、きっとこれからの毎日を変えていくはずです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)