「準備が整うまで始めない」のはやめよう!という話~名古屋心療内科コラム

目次
◆ 完璧を待つほど時間を失う
「準備が整ったら始めよう」「タイミングが完璧になったら挑戦しよう」──誰もが一度はそう考えます。
しかし現実には、すべての信号が青になる瞬間など来ません。
むしろ待てば待つほど、スタートが遅れ、貴重な時間を失ってしまいます。
心理学ではこれを 完璧主義の罠 と呼びます。
スタンフォード大学の研究では、完璧を求めすぎる人ほど挑戦の回数が減り、結果として成果も少なくなることが確認されています。
◆ 行動の心理学:「とりあえず始める」が最強
行動科学者のハイディ・グラント博士は、「やる気を待ってから動くのは非効率」と指摘します。
人は動き始めてからエネルギーが生まれるのであり、止まったままではやる気は湧いてこないのです。
また、心理学者カール・ワイクの「スモール・ウィンズ理論」でも、小さな一歩を踏み出すことで自信と習慣が積み上がるとされています。
つまり、信号が青になるのを待つのではなく、赤信号を含めて進みながら調整する方が圧倒的に成果につながるのです。
◆ 実例:グーグルの「ベータ版精神」
ビジネスの世界でも、この考えは生きています。
GoogleやFacebookの成功は「完全に仕上げてからリリースする」のではなく、まずはβ版を世に出し、赤信号にぶつかりながら改善を重ねていった結果です。
これを心理学的には「試行錯誤による学習(trial-and-error learning)」と呼びます。
◆ 人生に「走り始める習慣」を入れる
よって以下の方法を試してみましょう。
- 完璧チェックをやめる
「準備が100%整ったら」ではなく、「60%できたら走る」を基準に。 - 小さく動く
大きなプロジェクトでなくても、5分の行動から始める。 - 赤信号を想定する
最初から「途中で止まるのは当たり前」と思っていれば、失敗もストレスにならない。
◆ まとめ:走りながら調整する人生を
- すべての信号が青になる瞬間は来ない
- 動きながらやる気が生まれる(行動科学の法則)
- 赤信号にぶつかっても、それ自体が学びと成長になる
👉 人生は高速道路ではなく、街中の道のり。
信号が変わるのを待つのではなく、とにかく走り始めましょう。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)