その行動が正しいかどうかの判断方法~名古屋心療内科コラム

目次
◆ 行動に迷ったときのシンプルな基準
人生には、進むべき道や選択肢に迷う瞬間が必ずあります。
「この仕事を受けるべきか」
「この誘いに乗るべきか」
「この生活習慣を続けるべきか」
そんなときに役立つシンプルな基準があります。
それは──
「その行動をしている自分が好きかどうか?」
です。
もし「好きじゃない」と感じるなら、心の奥で本当に望んでいない行動かもしれません。
◆ 自己一致(Self-Consistency)とは?
心理学者 カール・ロジャーズ は、人間の幸福感は「自己一致」によって左右されると述べました。
自己一致とは、「自分の価値観や理想」と「実際の行動」が一致している状態 のことです。
- 自分らしいと思える行動をしているとき → 自尊心が高まり、充実感を得る
- 望まない行動を続けているとき → 不一致が生じ、ストレスや不安につながる
つまり「その行動をしている自分が好きか?」という問いは、自己一致の状態を測るシンプルな指標なのです。
◆ 実例:自分を好きになる選択が長期的幸福を生む
ハーバード大学の「成人発達研究」では、75年以上にわたる追跡調査で、幸福な人生を送る要因が分析されました。
結論の一つは、「自分の価値観に沿った生き方をしている人は、健康にも幸福度にも恵まれる」 ということ。
給与や社会的地位よりも、自分を肯定できる行動を選ぶことが、長期的な幸せにつながるのです。
◆迷ったときに自分へ投げかける質問
では具体的にどう考えればいいのでしょうか?
その判断のために、こんな考え方をしてみましょう。
- 「この行動をしている自分を誇れるか?」
→ 自分に胸を張れるなら正しい選択です。 - 「未来の自分が振り返ったとき、好きになれるか?」
→ 長期的な自己イメージを軸に判断しましょう。 - 「これをやめたときの自分と、続けたときの自分、どちらが好きか?」
→ 2つを比較すると答えが見えてきます。
◆ まとめ:自分を好きになれる行動が人生を変える
- 判断に迷ったら「その行動をしている自分を好きか」で決める
- 心理学的に「自己一致」が幸福感を左右する
- 実例でも「自分らしい行動を選んだ人ほど健康で幸せ」
- 小さな選択でも「自分を誇れる行動」を積み重ねることで人生は大きく変わる
今日から迷ったときは「この自分を好きか?」と問いかけてみましょう。
その積み重ねが、あなたを本当に望む未来へと導いてくれます。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)