自分への手紙がオススメという話~名古屋心療内科マンガコラム

◆ 自分でくすぐってもくすぐったくないワケ
「自分で自分をくすぐっても何も感じない」。
これは誰もが知っている事実です。
ところが、心理学者 サラ・ブレイクモア の実験では、面白いことがわかりました。
彼女は被験者に「自分で自分をくすぐる」という実験をさせました。
あまりに意味不明かもしれませんが、内容はこうです。
被験者たちをAとBに分けて
- A:自分の手で直接くすぐる
- B:ロボットアームを操作して自分をくすぐる
このとき、Aは当然、ほとんどくすぐったくありませんでした。
当然ですね。
しかしBは、ロボットアームの反応の時間差や予想外の動きによって、「くすぐったく」感じたのです。
すなわち人間、たとえ自分でやった行為でも、予想と違う時間差や変化によって、新鮮に感じてしまう、ということです。
この「予想外」が、感情を大きく揺さぶる鍵になるのです。
◆ 未来の自分を励ます「時間差」テクニック
この仕組みを応用すると、面白いことができます。
それは 「未来の自分への手紙」 。
たとえば
- 今夜の自分に向けて「今日もよく頑張ったね」とメモを書く
- 明日の自分に励ましメールを送る
- 1か月後の自分に手紙を仕込んでおく
このようにやっておくと、これを読む未来の自分は
「自分が書いたのに、意外と他人から励まされているように感じる」
のです。
なぜなら、時間差によって予測がズレ、脳が「新鮮な刺激」として受け止めるからです。
◆ タイムカプセル・メールのすすめ
特に効果的なのが「未来メール」。
サービスやアプリを使えば、半年後や1年後の自分にメールを届けることもできます。
- 「あのときの夢、まだ覚えてる?」
- 「今、ちゃんと前に進んでる?」
- 「つらくても、ここまで来た自分を褒めてやってほしい」
そんな言葉が、未来の自分を思いがけず支えてくれるかもしれません。
◆ まとめ:予想外の自分に救われる
- 人は「予想外の刺激」にこそ感情を動かされる!
- 自分で自分にしても「時間差」があれば別物として感じられる!
- 未来の自分に手紙やメールを送ることで、まるで他人に励まされているかのような力を得られる!
だからこそ、今日の自分から未来の自分へメッセージを残してみませんか?
その小さな「タイムカプセル」が、きっと思いがけない感動を与えてくれるはずです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)