演技で気持ちが変わる、という話~名古屋心療内科コラム

◆ 人は姿勢で心まで変わる
「心が顔に出る」とよく言います。
しかし、実はその逆も真実です。
心理学の研究でも、表情や姿勢といった身体の動きが、心の状態を左右する ことが明らかになっています。
たとえば、猫背でうつむいたまま勉強しても気分は沈み、やる気も出ません。
一方で胸を張って堂々と立つと、不思議と自信が湧いてきます。
これは決して気のせいではなく、脳が身体からの信号を受け取って心の状態を変化させているのです。
◆ 「エリートの演技」が集中を高める
この仕組みを仕事や勉強に応用するのが「演技」の力。
つまり、エリートや優等生になりきる“フリ”をしてから作業に取りかかる のです。
具体的には、たとえば
- 背筋を伸ばす
- 顎を少し上げる
- 眉間に軽く力を入れて「やるぞ」という表情をつくる
こうした「エリートっぽい姿勢」を少しキープするだけで、集中力や自己効力感が高まります。
◆ 脳は「演技」と「本当」の区別がつかない
脳は、身体からの信号に非常に素直です。
「本当に自信があるから堂々としている」のか、「フリをしているだけ」なのかを、区別することはできません。
つまり、“演技”でも十分に脳はダマされる のです。
「優等生っぽい態度」を取れば、本当に頭が冴え、「エリートの演技」をすれば、不思議と集中力が高まるものなのです。
◆ 今すぐできる実践法
- 作業を始める前に背筋を伸ばし、深呼吸する
- 「自分はエリート」「自分は優等生」と暗示をかけ、その「フリ」をしてみる。
- その姿勢・表情のままタスクに取りかかる
たったこれだけで、脳は「今は本気モードだ」と錯覚し、集中力を高めてくれます。
◆ まとめ:演じることで本物になる
人は、外見のフリから中身をつくれる存在です。
だからこそ、「自分には集中力がない」と悩む必要はありません。
まずは「集中できる人の演技」から始めてみましょう。
そうすれば演技はやがて本物になり、あなたの仕事や勉強は驚くほどスムーズに進むはずですよ。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)