読み聞かせでは「質問」を入れろ!名古屋心療内科コラム

ニューヨーク州立大学の心理学者ホワイトハーストの調査です。
2~3歳前後の子供をAとB2つのグループに分けて、絵本の読み聞かせを行いました。
その際に、まずAは
A 読み聞かせの途中で質問を入れる
としました。
たとえば
「さぁ、白雪姫がリンゴを食べました! このあと、どうなっちゃうと思う!?」
「シンデレラがガラスのクツを落としました! どうなると思う!?」
みたいな形で質問を行ったわけです。
次にBグループは、そういう質問を行わず、ただそのまま読み聞かせました。
まぁ、一般的な読み聞かせです。
すると、その結果。
読み聞かせに質問をくわえていたAの方が、Bに比べて、四週間後に読解力や記憶力などの能力が大幅にアップしていたのです。
すなわち人間、「質問」によって巻き込まれると、気持ちが入り込み、成長しやすくなる、というわけです。
実際に講義などを思い出してみましょう。
ただひたすら、講師がエンドレスに演説を始めていく講義って、絶対に途中で眠くなりますよね。
しかし途中で
「えっと、このときにどうなったと思う? じゃあ出席番号何番の人!」
「ではこの問題が分かるかな? 前列から三番目のキミ!」
なんて風に、質問がバンバン飛び出すような講義だったら、頑張って授業を聞かないと、と思うはず。
くわえて講義が終わったあとに、より強く記憶と印象に残るモノになるのでないでしょうか。
自分自身も講演をさせていただくとき、できるかぎり聞いている方に質問をするように心がけています。
これは仕事でも同じ。
なにかの指導や指示を与えるときに、一方的に話だけしていては、部下が何も理解しないままに終わってしまうこともあります。
「このようにやってほしいんだけど、どう思う?」
「どうすればこの指示が達成できると思う?」
などのように、できるかぎり一回のトークで一回以上は質問を挟むようにしましょう。
それだけで相手の意識は大きく変わっていくはずです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)