電車内で迷ったお嬢さま~名古屋心療内科マンガ

◆ 電車あるある?
電車やバスの中で、
「あ! あの人、妊婦さんかな?それともただ少しふっくらしているだけかな?」と迷ったことはありませんか?
間違えて声をかけて、「違います」と言われたら気まずいし、
失礼になっちゃうかもしれない。そう思うと、なかなか勇気が出ませんよね。
そんなとき、どう考えればいいのか。
実は、昔のすごい数学者が考えた「パスカルの賭け」という方法を使うと、
答えがスッキリ出るんです!今日は、その秘密を解説しますね。
「パスカルの賭け」ってなに?
昔々、フランスにブレーズ・パスカルという天才数学者がいました。
彼はあるとき、「神様がいるかいないか」について、こんなふうに考えました。
「神様がいるかどうかなんて、誰にも証明できない。
でも、どっちかに『賭け』をしなきゃいけないとしたら、どっちが得だろう?」
パスカルは、こう計算しました。
「神様はいる」と信じた場合
★もし本当にいたら? → 天国に行けて最高の幸せ!
☆もし本当はいなかったら? → 祈っていた時間がムダになるだけ。損はちょっとだけ。
「神様はいない」と信じた場合
★もし本当はいなかったら? → 自由気ままに暮らせる。得はちょっとだけ。
☆もし本当にいたら? → 神様を信じなかったバツを受けるかも。取り返しのつかない大損!
結論: 「もし予想が外れても、損が少ない方を選ぼう! もし当たれば最高にハッピーな方を選ぼう!」
つまり、「失敗したときのリスクが小さい方を選ぶのが、賢いやり方だ」というのが、パスカルの賭けの教えなんです。
◆ 電車で「パスカルの賭け」を使ってみよう!
では、この考え方を電車の席に当てはめてみましょう。
目の前に「妊婦さんかもしれない女性」が立っています。
ここで、「A:席をゆずる」か「B:席をゆずらない」か、どちらに賭けるべきでしょうか?
A:勇気を出して「席をゆずる」に賭けた場合
★もし相手が妊婦さんだったら?
相手は体が楽になるし、あなたも「いいことした!」と嬉しい気持ちになります。(大成功!)
☆もし相手が太っているだけだったら?
ちょっとだけ気まずい空気になるかもしれません。あなたは立ってなきゃいけません。でも、ただそれだけです。(ちょっとの損)
B:知らんぷりして「席をゆずらない」に賭けた場合
☆もし相手が太っているだけだったら?
何も起きません。あなたは座ったままです。(ちょっとの得)
★もし相手が妊婦さんだったら?
お腹の赤ちゃんや、お母さんに「もしものこと(転んだり、具合が悪くなったり)」が起きるかもしれません。あとでそれを知ったら、あなたは一生後悔するかもしれません。(取り返しのつかない大損!)
よって答えは決まりましたね!
パスカル先生なら、きっとこう言うはずです。
「迷ったら、席をゆずる方に賭けなさい。そのほうが、リスクはずっと小さいよ」
◆ 上手にゆずる魔法の言葉
「でも、やっぱり『妊娠してますか?』って聞いて間違えるのは怖いよ!」
いや、そう思いますよね。
なので、聞かなくていいんです。
「よかったら、どうぞ」
これなら、相手が妊婦さんでもそうでなくても、誰も傷つきません。
迷ったときは、「もし自分が間違っていたときに、どっちが『マシ』かな?」と考えてみてください。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)


















