ドライな励まし方をするバスケの先生。~名古屋心療内科マンガ

あきらめたら、そこで試合終了──この言葉が今も刺さる理由

あきらめたら、そこで試合終了だよ

『スラムダンク』の中でも、特に多くの人の心に残っている名セリフです。
試合の場面を知らなくても、この言葉だけは覚えている、という人も多いでしょう。

でもこの言葉がここまで強く響くのは、
単なる“根性論”ではなく、人間の心理の核心を突いているからです。

◆ なぜ人は途中であきらめてしまうのか

人が何かを途中で投げ出してしまうとき、
そこには「意志の弱さ」よりも、心のエネルギー切れが起きています。

心理学では、努力を続けるためには
「まだ意味がある」「続ければ変わるかもしれない」
という期待感が必要だと考えられています。

しかし、

・結果がすぐ出ない
・失敗が続く
・周囲と比べて落ち込む

こうした状態が重なると、
脳は「これ以上続けるのは損だ」と判断しやすくなります。

その結果、人はあきらめることで苦しさから逃れようとするのです。

◆ 「あきらめた瞬間」に起きている心理

実は、あきらめた瞬間に一番大きく変わるのは「結果」ではありません。
変わるのは、自分の中の選択肢です。

続けている限り、

・うまくいく可能性
・状況が変わる可能性
・誰かに助けられる可能性

は、わずかでも残っています。

しかし「あきらめた」と決めた瞬間、
そのすべてが自分の手でゼロにされる

だからこそ、
「あきらめたら、そこで試合終了」という言葉は、
現実を正確に表しているのです。

◆ あきらめない人は“強い”のではない

ここで大事なのは、
あきらめない人=強い人ではない、ということ。

心理学の研究でも、粘り強さを支えているのは
気合や根性ではなく、

・目標を小さく区切る
・「今できること」だけを見る
・結果より行動に意識を向ける

といった、考え方の工夫だとされています。

つまり、
あきらめない人は「我慢している」のではなく、
続けやすい見方をしているだけなのです。

◆ あきらめないための、たった一つのコツ

あきらめないために一番効果的なのは、

「最後までやろう」と考えないこと。

代わりに、

・今日はここまで
・今は一歩だけ
・終わらなくてもいい

そうやって、試合を続ける状態を保つこと。

この「続いている」という感覚そのものが、
次の行動を生み、結果につながっていきます。

◆ まとめ

「あきらめたら、そこで試合終了だよ」という言葉は、
努力を美化するための言葉ではありません。

可能性は、続けている限り消えない
あきらめた瞬間に、選択肢は閉じる
だからこそ、完全に投げないことが大事

この現実を、シンプルに伝えている言葉なのです。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

名古屋
官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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