「今から何かを始めても、もう遅いし…」と迷う人へのアドバイス。~名古屋心療内科マンガ

◆ もう遅い、と思いがちな方へ。
皆さんは、新しいことを始めようとしたときに、ふと「年齢」という壁を感じたことはありませんか。
「今からピアノを習っても、上手くなる頃にはおじいちゃんだよ」
「転職したいけれど、新しい仕事を覚えるにはもう若くないしな」
私たちは、何かに挑戦するリスクと、今のままでいる安心感を天秤にかけ、
つい「やらない理由」として年齢を使ってしまいがちです。
今日は、そんな迷える背中を、優しく、でも力強く押してくれる素敵なエピソードを紹介します。
◆ クッキー王の意外なアドバイス
アメリカに、「フェイマス・エイモス」という有名なクッキーブランドがあります。
その創業者であるウォリー・エイモス氏が講演をした時のことです。
一人の年配の女性が手を挙げて、こんな悩みを打ち明けました。
「私はずっとロースクール(法科大学院)に行きたいと思っていました。でも、ためらっているんです。だって、もし入学できたとしても、卒業する頃には私は55歳になってしまうんですよ」
3年とも4年とも言われるロースクールの過酷な日々。
卒業してようやくスタートラインに立った時、自分はもう還暦手前。そう考えると足がすくむのも無理はありません。
しかし、エイモス氏は穏やかに、こう問い返しました。
「もしあなたがロースクールに行かなかったとしたら、その時あなたはいくつになっているのですか?」
◆ 時間は誰にでも平等に降り注ぐ
ハッとさせられますよね。 答えは明白です。
ロースクールに行こうが行くまいが、数年経てば、彼女は間違いなく55歳になります。
私たちは無意識のうちに、「挑戦する数年」と「何もしない数年」が別の時間の流れ方をしているような錯覚に陥っています。
まるで、挑戦すると時間が経って年を取るけれど、何もしなければ時間が止まって若いままでいられるかのように。
でも、残酷なほどに時間は平等です。
必死に勉強して弁護士資格を持った55歳になるか、ただ「あの時やっておけばよかった」と思い悩む55歳になるか。
選べるのは結果だけであり、年齢という到達点は変えられないのです。
◆ 「やらなかった後悔」は長引く
心理学者のトーマス・ギロビッチの研究によると、
人間は短期的には「やったことによる失敗」を後悔しますが、長期的には「やらなかったこと」を強く後悔する傾向があります。
「告白して振られた恥ずかしさ」は時間とともに薄れますが、「告白しなかった未練」は、何十年経っても心の棘として残り続けるのです。これを「不作為の後悔」と呼びます。
何もしないで過ごす時間は、リスクがないようでいて、
実は「未来の自分に後悔をプレゼントしている」のと同じことなのかもしれません。
それは、どんな失敗よりも痛いプレゼントです。
◆ 挑戦こそが若さの秘訣
もし今、あなたが「時間がかかるから」という理由で何かを諦めようとしているなら、
ぜひエイモス氏の言葉を思い出してください。
どうせ時間は過ぎ去ります。どうせ同じようにお腹は空くし、同じように夜は来ます。
それならその時間、あなたの「好き」や「情熱」を注ぎ込んでみましょう。
何歳になったとしても、今日がこれからの人生で一番若い日です。
夢中になって走っているうちに、気づけば素敵な年齢の重ね方をしている。
それが、理想の年の取り方ではないでしょうか。
何も持たない老人になるより、傷だらけでも勲章を持ったチャレンジャーでありたいですね。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)


















